
評価3
再読。
主人公の馬締光也は玄武書房辞書編集部の主任。新しい辞書「大渡海」の編纂を任されて部員2名とOB、日本語研究に人生を捧げる老学者の少数精鋭で辞書作りの大海原へ漕ぎ出す。辞書が完成するまでの苦難の15年をまじめ一筋の馬締を中心に綴ったお仕事小説。2012年本屋大賞受賞作品。
辞書のことしか頭にない馬締が女性板前に一目ぼれする下りがユーモラスというか、とってつけた感じがして違和感しかないのだが、まぁ辞書作りだけではこの物語が味気ないものになったのだろうから許容範囲か・・・?(苦笑)
辞書作りの細かい作業工程がわかって、その意味では興味深い作品ではあるが、各登場人物の掘り下げが甘い印象で「う~む、これが本屋大賞か?」というのが正直なところ。ちょっと私の感性には響かなかった。